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書籍の推薦 [国内発行分]

経営システムを構築・運営管理する際に、組織内外でコミュニケーションをとる際に、経営システムの審査を行う際に参考となりそうな書籍を紹介します。ただし、いずれも、いわゆる“ハウツー本”ではありません。自分自身で考えるための、工夫のヒントとするための書籍ばかりです。これらを読んで、思考を巡らして、ぜひとも地力を付けていきたいものです。
 ISO 9001や14001などの書籍の紹介は、ほんの少しにとどめました。この分野の仕事に携わっている人たちは、意外にビジネス書を読む機会があまり多くないように感じています。自分の得意分野以外の専門書を読むことで、少しでも視野を広げてもらいたいという想いも、込めたつもりです。


《経営と経営システムの参考になる書籍》

■カップヌードルをぶっつぶせ!

  著者:安藤宏基  出版社:中央公論新社(中公文庫)
  税込価格:596円  ISBN 978-4-12-205398-4
日清食品の二代目社長の著作。副題は「創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀」。偉大な創業者・発明家から会社経営を引き継いだ後、人心を掌握して、組織を改革し、事業を発展させた道筋が描かれています。ジャパネットタカタの創業者が二代目に、これを読むよう勧めました。

■USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

  著者:森岡毅  出版社:角川書店(角川文庫)
  税込価格:691円  ISBN 978-4-04-104192-5
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン復活の立役者“森岡毅”氏が著者。資本の投入、マーケティング、従業員の動かし方、顧客アプローチ、目標展開など、経営的観点からの著作です。どのようにアイデアをひねり出し、実現するか。経営の立て直しを含む組織マネジメントの書籍です。

■社員が会社のために動きたくなる51のこと

  著者:吉田和彦  出版社:あさ出版
  税込価格:1,470円  ISBN 978-4-86063-622-7
課長になっても、細かいことまで、すべて自分でやってしまいたくなるもの。しかしそれでは、課員は成長せず、収益も向上しない。本書は、30数名の印刷業の社長が、自身の考えを改め、従業員のやる気を引き出すに至った道筋です。中間管理職にとっても、大いに参考になる書籍です。

■無印良品は仕組みが9割

  著者:松井忠三  出版社:角川書店
  税込価格:1,470円  ISBN 978-4-04-110499-6
無印良品のマニュアル集の紹介です。各項目に、目的や基本的な考え方が示してあり、丸暗記でなく、理屈や原理を理解し、同じ方向性で考えて行動できるようにする趣旨のようです。惜しむらくはマニュアルの具体例の記載が少なく、概念中心であること。しかし、この概念の理解は有効と捉えました。

■もし高校野球の女子マネージャーが
  ドラッカーの『マネジメント』を読んだら


  著者:岩崎夏海  出版社:ダイヤモンド社
  税込価格:1,680円  ISBN 978-4-478-01203-1
ご存じ、2010年のベストセラー。高校野球の女子マネジャーになったときに、「マネジャーの役割はマネジメント」と勘違いし、「甲子園に連れて行きたい」と意志を硬め、「高校野球の顧客は誰か」と考えて、随所でドラッカーの著作との結びつける。主人公の成長を追いかけて、マネジメントを勉強しましょう。

■ローカル線ガールズ

  著者:嶋田郁美  出版社:メディアファクトリー
  税込価格:1,000円  ISBN978-4-8401-2125-5
福井の“えちぜん鉄道”に勤めるアテンダントが、「自分たちは何を行うとよいのか」を見いだした道筋が、本書の主な内容。顧客満足を考えて、その中で自分たちが何を行うか、どうすればそれをみんなで行えるかなど、それらの方法を編み出す過程を、模擬体験しながら、考えることができる書籍です。

■経営学

  著者:小倉昌男  出版社:日経BP社
  税込価格:1,470円  ISBN978-4-8222-4156-8
宅急便を編み出したヤマト運輸(現ヤマトHD)前社長の著書。顧客ニーズを掘り起こし、事業として成立させる。著者が歩んだ道筋をたどることで、品質とは何か、どのように見いだす(創設する)か、どのように実現するか(コスト・組織体制を含む)など、品質と経営の根幹を学び取れる書籍です。


《審査/コンサル/運営管理の参考になる書籍》

■モノができる仕組み事典

  著者:成美堂出版編集部  出版社:成美堂出版
  税込価格:1,470円  ISBN978-415-30102-0
カップ麺、アルミホイル、自動販売機、板ガラス、薬の錠剤、エアコンから、飛行機まで。50種の製品が完成するまでの工程を、現場写真で紹介しています。審査員は多様な業種の審査に赴きます。写真でイメージをつかみ、説明を見て理解できると、審査の準備の際に大いに役立ちます。

■コピー用紙の裏は使うな! 〜コスト削減の真実


  著者:村井哲也  出版社:朝日新聞社 (朝日新書)
  税込価格:756円  ISBN978-4-02-273137-1
書籍の首題は、コスト削減です。コストを削減するために、業務の効率化を考えれば、業務体制の再確立となり、品質にも環境にも関連します。また、コスト削減の多くは、環境への取組みのヒントにつながります。ISO関係の書籍に載ることの少ない切り口から、新たな展開に結びつけたいものです。

■ISO審査員心得帖 〜組織とその顧客のために

  著者:古山富成,佐々木清和,竹田篤二,中山禮吉  出版社:日本規格協会
  税込価格:1,680円  ISBN4-542-30625-9
ISO審査員は組織の経営システムを評価しに行っているつもりだが、受審組織は審査員の人柄まで評価している。審査の技術面はもちろん、審査に対する姿勢、立ち居振る舞いから冗談の入れ方まで、審査員が知っておくべき事項すべてが凝縮されています。座右の書としてもっておきたい一冊。

■西堀流新製品開発 〜忍術でもええで

  著者:西堀榮三郎  出版社:日本規格協会
  税込価格:1,890円  ISBN4-542-50331-3
第一次南極越冬隊長を勤められた、西堀榮三郎さんの貴重な著作。新製品開発での、設計の勘どころや品質の確保の仕方のほか、問題解決の際の目の付け方や、研究者のあり方、活動の各段階での心がけなど、かつての“西堀教室”を彷彿させる内容が満載です。


《コミュニケーション(口頭・文書)面で参考になる書籍》

■わかりやすく〈伝える〉技術


  著者:池上彰  出版社:講談社 (講談社現代新書)
  税込価格:740円  ISBN978-4-06-288003-9
ニュース解説などでよく知られる池上彰さんが、NHK退職後に書いた書籍。答えズバリが載っているというよりは、「どのように考えるとよいか」の解説を基に、応用力を養うのに向いています。わかりやすい伝え方を、池上さんが編み出してきた道筋が見えるので、ある種の追体験ができます。

■理科系の作文技術


  著者:木下是雄  出版社:中央公論社 (中公新書)
  税込価格:7350円  ISBN978-4-12-100624-0
理科系の研究者・技術者・学生むけに、論文・レポート・説明書・仕事の手紙などを書き方、学会講演のコツを指南する書籍。盛りこむ内容の取捨選択や文章の組立て方の説明は秀逸です。かつて私は、この書籍で文の書き方を勉強しました。もちろん文系の人たちにも役立ちます。


《用語の理解の面で参考になる書籍》

■三省堂国語辞典 第7版

  著者:見坊豪紀ほか  出版社:三省堂
  税込価格:3,045円  ISBN978-415-30102-0
新語を積極的に収めることで知られる三省堂国語辞典の第7版が発行されました。追加になった約4000語には、インターネットや原子力発電所関係の語も多く含まれています。日本語の現在の使い方を基本とした編集方針は、今の時代を生きる私たちにとって、強い味方といえます。

■スゴ訳 あたらしいカタカナ語辞典

  著者:成美堂出版編集部  出版社:高橋書店
  税込価格:945円  ISBN978-4-471-19119-1
“シナジー(効果)”は「1+1が、2より大きくなること」。“インセンティブ”は「アメとムチの、アメの方」。とても平易な表記でスッキリ合点がいきました。語源、解説、関連語、用例が載っていることも、理解の向上に役立ちます。できるだけ分かりやすく語るために、ぜひ習得しておきたいものです。